自火報受信機の交換工事

皆さんこんにちわ。

今回はとある倉庫の自火報受信機の交換と差動分布(空気管)の検出器の交換をお手伝いしてきましたので紹介したいと思います。

既設受信機が非蓄積式だから応答線が必要だよねの巻です。

 

検出器の交換

空気管検出器の交換前

こちらが交換前の空気管検出器で、昭和59年製の松下電工(現パナソニック)の検出器です。

今回の倉庫にはこの検出器が8台ありますのでサクッと交換していきます。

注意点は空気管本体は銅管で、急激に曲げると管がつぶれますので曲げるときなどには優しく徐々に曲げていくのがコツです。

 

空気管検出器の交換中

空気管検出器の交換後

はい、交換完了です。

今回は既設が松下電工でしたので、新品もパナソニックにしました。

なぜかというと、写真の様に空気管検出器のサイズや穴位置が既設とほぼ同じで、検出器の固定にわざわざ穴を開け直さなくても良い(元の穴をそのまま使える)からです。

空気管の取り回しもほぼ同じなので作業時間の短縮ができます。

検出器の交換が終わったので今度は受信機の交換を行います。

 

受信機の交換

受信機交換前

既存の受信機は松下電工のカジノン受信機(非蓄積式)(昭和59年製)で、非蓄積式、終端抵抗なし(終端は発信機)、応答線なしになります。

昔の受信機は現行の受信機とは異なり、感知器配線の断線を確認する(導通試験)のに押しボタン(回路試験機や発信機)を一番終端に施工して、そのボタンをおして発報すれば断線はしていないというものでした。

また、非蓄積式ですので感知器が作動しても発信機を押しても即時発報(蓄積なし)になり、現行の受信機に交換する場合には空き線を応答線にして使用するか、蓄積解除アダプタの使用が必要になりますので、受信機の改修を計画する場合にはこれらの項目も良く確認しておくと改修もスムーズです。

受信機交換中

化粧板取付

今回交換する受信機は既設受信機より少し小さくて、壁紙の黒ずみがでてしまうので、真っ白なアクリル板にてリニューアルプレートを作成して受信機のボックスとサンドイッチします。

 

受信機交換後

受信機のボックスを取り付けたら、受信機内機を取り付けて配線(幹線と電源線)を施工して交流電源を入れて予備電源を入れたら完成です。

ですがある意味ここからが本番です。

冒頭でもお話しましたが、既設受信機には応答線がありませんので、幹線の予備線で応答線を施工します。

 

応答線の施工

今回は幹線にあまり線(予備線)がありましたので配線を工夫して応答線を施工できますが、既設幹線のジョイント部分がCチャンネル内にあり、そこにアクセスするのにパレットをよじ登っていかなければならなかったので苦戦しました。

Cチャン内の幹線

電気配線でもそうですが、容易に接近できない(点検できない)部分にはジョイントを作ってはいけない決まりですが、自火報でもこのような非常にアクセスの悪いところにジョイントを作ってはいけないという決まりを作ってほしいと思いました。

しかも鳥だかの糞害により幹線が埋もれていましたので、幹線等の配線接続はジョイントボックス内や総合盤内で行いましょう。

色々ありましたが、幹線をやりくりして応答線を施工できました。

あとは検出器、ベル、発信機等々の試験を行いデータを取って工事は終了になります。

 

あとがき

最後までご覧いただきありがとうございます。

今回は受信機・検出器等の交換工事をしてきました。

工事は無事におわりましたが、その後に試験結果報告書や図面の作成などの事務作業が残っていますので、工事終了=終わりではありません。

現場の方が自火報施工当初の図面を持っていましたのでそれをコピーさせていただきましたが、縮尺が合っていませんのでJWCADにて建物図面と設備図面を新たに作成したりして工事に書類に大変な一日でした。

今回の工事は事前に所轄消防に軽微な工事ということで確認をもらっていて、設置届に写真とデータ添付でOKなので、検査立会いが無いだけでも楽でした。

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