自家発電設備の負荷運転 3回目

皆さんこんにちわ。

今回はとある施設にて自家発電設備の実負荷運転を行ってきましたのですが、ちょっとしたトラブルもあったのでそちらも併せてご紹介したいと思います。

 

自家発電設備の全景

今回は49KVA(39.2KW)の容量の負荷運転になり、作業報告書等の提出が必要なのでロガーを使用して、負荷のスプリンクラーポンプを回してデータを取っていきます。

ただ、自家発電設備の切替装置として変電設備(キュービクル)内にMCDT(電源切替開閉器)が設置されており、このMCDTを切り替えないと自家発電設備の発電電力がスプリンクラーポンプへ行かないので電気主任技術者さんにご協力をお願いしました。

MCDT(電源切替開閉器)切替前

電気主任技術者さん立会いの下、計測器等の準備を行い、いざMCDTを切替!

切り替えるとMCDTが停電検知を行い内部で電源の切替(商用→発電機)を行いますが、切替と同時に自家発電設備も自動起動して電圧確立及び電力供給を行う都合、この間約10秒くらいはMCDT二次側の負荷は停電しますので、切り替える際は注意喚起が必要になります。

今回の施設ではスプリンクラーポンプ以外にも負荷を取っているので、切り替えて発電機が運転・電力供給の時点ですでに8Aくらい発電していました。

MCDT(電源切替開閉器)切替後

切替完了して発電機も特に異常ないので、スプリンクラーポンプを起動させてより負荷をかけていきます。

今回の容量は39.2KWなので、おおよそ33Aの電流値で30%負荷になりますので、スプリンクラーポンプと一般負荷を併せて約40Aの電流値で負荷をかけていきます。

負荷をかけてしばらくすると、エンジンの燃料パイプ接続部から燃料がピュッピュッと漏れているではありませんか!

燃料パイプ接続部より漏油

負荷をかけて燃料の送油量と圧力が高くなったのが原因と思われるので、すぐに発電機を停止させて電気主任技術者さんと共に漏油の清掃とボルトの増し締めを行いました。

清掃等が終了して問題ないことを確認してまず無負荷運転を行い漏油がないか確認を行っていきますが、無負荷では大丈夫なので再度電流値約40Aの負荷をかけてみましたが、今度は漏油は確認されなかったので負荷試験を続行します。

発電電流値

その後は特にトラブルもなく順調に負荷試験が進み、30分試験を行い水温や油圧等にも異常なく、終了時には切り替えたMCDTを復電し、内部で電源の切替を行うと共に自家発電設備も自動停止までの時間を計測してシーケンス通りかを確認しながら停止して終了になります。

終了したら各操作部の復旧をしっかりと電気主任技術者さんとダブルチェックで確認して扉閉鎖及び施錠確認して、なおかつスプリンクラーポンプもメインバルブの開なども並行して確認を行い、復旧忘れが無いようにして作業完了になります。

操作盤の復旧確認 ヨシ!

今回の負荷試験で私が皆さんにお伝えしたいのは「無負荷試験だけでは発生しない不具合があるので、しっかりと負荷かけてください」ということです。

燃料パイプ接続部からの漏油なんて、負荷がかかり送油量や圧力が多くならなければ発生しない不具合であり、しかも比較的新しい発電機でしたし私も初めて遭遇する不具合でしたが、なんかしっくりきました。

最後に今回電気主任技術者さんに立会いをしていただいての作業になりましたが、色々電気のことについて教えていただいたので勉強になりました。

消防用設備は少なからず電気を使用する設備がありますので、電気関係の知識があるのは事故の防止にもつながりますし作業効率改善にも役に立つと思っているので、今回色々教わることができて良かったと思います。

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